月刊ゴツプロ!4月号

【三の糸から阿波の音!】

みなさんこんにちは。
今月も早いものでこんな時期ですね。
今月は個人的には全国を飛び回りあっという間に月日が流れております。
ゴツプロ!メンバーはというと…
それぞれに忙しくしておりまして。
まずは今月4月25日より始まったブラボーカンパニーの公演。
佐藤正和が出演。皆様、ぜひご観劇をよろしくお願いします。
浜谷康幸は次回公演の演出が始まり、渡邊聡も来月5月23日初日の電動夏子安置システム公演に向け稽古中。
こちらも併せてよろしくお願いします。

そして、そして、ゴツプロ!全体としましては、次回第四回公演『阿波の音』に向けて動き出してます。
次回公演はタイトルからも想像つくかも知れませんが、阿波踊りをテーマに舞台創作します。
なもんですから、まずは【阿波踊り】です。
すでにメンバーは特訓を開始してます。
一年がかりの役作り。津軽三味線から阿波踊りへと継承され、再び戦いの日々が始まりました。
また、ゴツプロ!初となるオーディションも開催。
いろんな出会いと刺激に溢れたオーディション。
この模様はまた改めて…

一年なんてあっという間ですからね。
日々真剣に生きなくては!!と改めて感じる今日この頃です。

そんなこんなで先月号!
台湾についてあれやこれや書こうと息巻いておったのですが、ほぼほぼグルメで終わってしまいましてね。
一番の想い出が『グルメ』だったんだ!って思われるのもあれなんでね(笑)
まあ、二番目くらいにグルメの印象は強いのですが…

台湾公演!
あれから早2ヶ月。
たくさんの奇跡と感動をもらった台湾。
たくさんの想いが詰まった台湾公演。
少し想いを馳せつつ…

前回も書きましたが、今回のスタッフさんはほぼほぼ台湾のスタッフさんでした。
当初、主要のメンバー(舞台監督、照明、音響、舞台美術)は、東京、大阪と同じでいきたい!
そう思っていたのですが、スケジュールが合わなかったり、諸々の折り合いがつかなかったり、
先方からの打診があったりで、最終的に台湾のスタッフさんと一緒にやろうという決断に至りました。

それはかなりの冒険。
だって、言葉も通じない、やり方も違う…ただでさえ、劇場のサイズ、形状が違うし、演出も変わる!たくさんの不安があったわけです。
まずは東京公演に台湾の舞台監督の雷くんが見学に来てくれました。
東京でのリハーサルをビデオに収めて、通訳を通しての打ち合わせ。
ここから台湾公演のテクニカル的なことが始まりました。

台湾に到着した我々は劇場に入ってから、なんだか日本より時間がゆっくりだなって感じました。
まず台湾スタッフはきっちり休憩を取ります。
どんな途中であっても、時間になったらきっちりと!
日本だったら、ここまでやってから飯休!なんてざらですがね。
そもそも日本人ってこの辺りから働き過ぎなんですかね(汗)

そして、一番大きな違い!
日本では、照明は照明さん、音響さんは音響さんの間で、タイミングで!明かりを入れたり、消したり、音を大きくしたり小さくしたり…そして、お互いにバランスをとりながら良い間を探ります。
これをよく、『なりでお願いします。』なんて言うのです。
でも台湾では、舞台監督がインカム(トランシーバーのようなもの)で、全てにきっかけを出していきます。
「照明GO,音GO!」みたいな感じ!
これってアメリカなんかもそうみたい。
そもそも、良い間で!とか、日本独特の文化なのかも知れません。
日本の演劇では、よく「間を盗んでとか!」「間を活かして!」「間を潰して!」なんて演出から言われますが、そもそもこの『間』ってのが日本文化なんだなって海外に行って改めて気付きました。

なもんですから、この違いはめちゃくちゃ大きかったですね。

そして、大きな問題がもう一つ。
字幕テロップの訳し方。
日本にいる間に翻訳をお願いしていたのですが、台湾在中の日本人の方に見てもらうと、どうもしっくりこないと言うことで、台湾に入って本番前日まで演出の海さん、演出助手、そしてテロップの叩きをやってくれた、ふくふくや の岩田くんは、ほぼほぼ徹夜状態で改訂作業が続きました。
この翻訳を手伝ってくれた現地のスーパーサブ。
敢えてお名前は書きませんが、本当に最後の最後までお手伝い頂き感謝の言葉しかありません。

かたや劇場ではコツコツと作業が続き、セットが立ち上がり、照明が吊られ、明かり合わせが行われます。
当然いつもの倍、時間がかかります。
その他色々と不安事項もあり、早めに台湾入りしたのが功を奏しました。

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通訳を介して一つ一つ丁寧に作っていきます。

日本公演のセットは再現できない中、こだわって作ってもらったのが舞台の中心となる苔むす岩。

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台湾の美術家さんが制作。
そこに日本の美術家 田中敏恵さんがコラボしてできた逸品です。

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ゴツプロ!も台湾スタッフも、みんながみんな手探りでの創作。

ただ、僕が驚いたのは初めてきっかけの稽古をした時、もちろん間が違うとこは多々ありましたが、セリフきっかけはほぼほぼ合っていたことでした。
これってすごくないですか?
だって日本語話せないし、聞き取れないし、台本も読めないんですよ。
きっときっと彼らは、日本で収めたビデオを穴が空くほど見たんだと思います。
その努力が痛いほどわかって、嬉しかったし、僕らにまた一つスイッチが入りました!
日本公演を見られた方はわかると思いますがオープニング、岩の中の水が弾ける場面があります。
この仕掛けも日本スタッフからレクチャーを受けて、ほぼ同じように再現してくれました。
照明さんは照明さんで、なるだけ日本公演と同じようにと明かりを作って頂き。

みんなの想いが、努力が、本当に嬉しかった。

そうして迎えた初日!
お客様は6割程度の入り。
ずっと僕たちが懸念していた、日本のお芝居が日本語のお芝居が台湾の方にどう伝わるのか?
そもそも、『どう』の前に伝わるのかどうか?

結果。
笑い、笑い、笑い、そして…涙。
客席とステージが一体になった瞬間。
字幕を見て笑うのではなく、ちゃんと芝居の間で笑ってくれました。
この勝因の一つは間違いなく字幕テロップだと思います。
最後までこだわったセンテンス。さらに、先読みされないように細かく細かく訳し。
プラスして芝居の良い間で叩くことによって、見事にお客様が笑い、涙し、感動を生んだのだと思います。
岩田くんは本番中、ずっと芝居に集中し千何百枚とあるパワーポイントのページを気持ちを込めて叩いてくれました。
本当にありがとう!!

そして慣れない環境の中、最大限の努力を惜しみなくしてくれた台湾スタッフのみんな。
本当にありがとう!!

初日の評判とマスコミの宣伝のお陰もあり、二日目からはほぼ完売。
千穐楽は補助席を追加するまでになりました。
千穐楽前日、満員御礼の報を受けて自分の事のように涙を流して喜んでくれた彼らが忘れられません。

二日目のカーテンコールでは、拍手が鳴り止まず、客席からお声掛けも頂きました。
鳥肌が立ち、涙が溢れ、えらいことになってました。
40歳を越えて、まだこんな知らない世界があったんだ!こんな感動があったんだ!
紛れもなく初めての感覚。

後から聞いたのですが、台湾ではカーテンコールでダブル、トリプルの慣習はなく、良いと思ったら拍手をずっと続けるそうです。

僕たちが海外公演を夢に掲げてなかったら…
初の海外公演が台湾ではなかったら…
台湾スタッフが僕らに共感してくれなかったら…
僕らが妥協していたら…
みんな、みんなの後押しがなかったら…

一生心に残る感動を味わえなかったかも知れない?!

その一瞬一瞬が宝物です。

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大好きな仲間とともに駆け抜けた台湾での十日間。
一瞬の出来事のように早く、一生記憶に残る濃密な時間でした。

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大打ち上げにて、台湾オールスタッフと!!
僕たちゴツプロ!は、決してあなたたちの愛を忘れません。

謝謝!!台湾…
再見!!台湾…

ゴツプロ!は必ず、パワーアップして台湾に戻ってきます!!
その日まで…

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つづく…

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、
マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。