9月号 『未来の演劇へ繋ぐ!』

【未来の演劇へ繋ぐ!】

9月も終わりますね。
早いですね。
9月が終われば今年も残すところあと3ヶ月。
去年の9月号を読み返していたら、ワタクシ故郷に帰省しておりました。
大好きな祭りを堪能して、自分のルーツを感じ、感慨深い思いにふけっていた秋でしたね。
今年は地元のお祭りも中止、いろんなイベントが中止になって寂しいものです。

それでも我々ゴツプロ!今月、来年2021年公演に向けスタートを切りました。
9月2日、ビジュアル撮影が無事に終わりました。

来年公演は4月から5月です。
ずっと1月に拘ってきましたが、来年は4月ですよ!
いろいろと動きのある中、まだ言えない事も多いのですが、いやー今回も最高のビジュアルが撮れました!

いつものようにプロデューサー、演出、デザイン、カメラマン、衣装、広報…綿密なる打ち合わせ!
そうして撮れた最高の写真たち。
早く見せたい。早く見て欲しい!
年内にはいろいろと発表できると思うので、皆様楽しみにお待ちください。

そして劇団員もいろいろと動き出し、やっと、やっと舞台公演も再開です。

浜谷康幸が出演した、東京マハロ第24回公演『○○ちゃんが好きなのよ』。
佐藤正和が出演した、ブラボーカンパニー第45回公演『天晴ロケット〜そして迷宮へ』。
そして私、泉知束が出演させて頂きました、グッドディスタンスー風吹く街の短篇集ー
東京マハロ『分際』。

こんなご時世にも関わらずたくさんの方にご来場頂きまして誠にありがとうございました。
また配信をご視聴頂きました皆様本当にありがとうございました。

なんか今までにない、いろんな感情が湧きましたね。
自分のことで言いますと、二週間の濃密な稽古をして、本番が二日間だけというタイトなスケジュール。
本多劇場にて、いろいろな企画が一日4本行われるイベントでお芝居させてもらったのですが、なんせ初めての体験ばかりでした。
まず、場当たり、ゲネプロ(本番と同じようにする最終稽古)が、本番の四日前。
僕らが公演した日はイベントの最終日とその前日だったため、イベント開始の前日に行いました。
しかも全部で2時間(汗)
普通の公演だと当然仕込みがあって、場当たりがあって諸々決め込んでいって、最終稽古があります。
本多劇場クラスだと通常は短くて二日間、セットを立て込む場合は三日間の場合もあります。
この時間の中で、劇場空間に馴染んでいくんです。

※スワイプでアルバム内を移動できます。

稽古場はやはり劇場と同じ空間は作れないので、劇場行くと、最初は声のボリュームだったり、劇場の広さだったりに戸惑ったりします。
その誤差をこの時間で馴染ませていくのです。
それができない今回の公演。

さらには本番当日の劇場入りも本番1時間前という、なんとも痺れるスケジュール。
ほぼほぼ、ぶっつけ本番的な公演。
いやー、怖かった。これマジで怖かった。
こんな経験、できればもうしたくない(汗)
そして、今回のような企画じゃなかったらおそらくこんな経験することはなかったと思う。
貴重な体験でした。

でもやっぱり劇場はいいな。
お客様と一緒に作り上げるっていいな。
ピリピリする緊張感の中、板の上で生きる、この感じはなんとも言えません。

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防疫対策…もちろん稽古場から徹底し、劇場でも徹底し、お客様にもいろいろとお願いし、出来る限りの対策をしての公演。
少しでもお客様に安心してみてもらえるように、今は頑張るのみですね!

そして、間も無く10月3日は、下北沢『桃太郎』プロジェクトが開催されます。
明後日プロデュースさんが主催する【asatte FORCE】の一つのコンテンツとして、1日2ステージ上演させてもらいます。

下北沢【桃太郎】プロジェクトとは?
(3月29日に延期となった公演。)
演劇人が!いま子供たちに見せたい!「桃太郎!」
普段お芝居を観せる事の出来ない子供達にも楽しんでもらいたい!
そんな想いから、ゴツプロ!の佐藤正和が先頭指揮をとり、コロナウィルスの影響で劇場公演の中止や縮小が相次ぐ中、スケジュールが空いた本多劇場から、「子供たちに舞台の楽しさを伝えたい!」「演劇の世界を元気にしたい!」と立ち上がったプロジェクト。
普段の公演では観ることができない未就学児をはじめ、多くの子供たちに演劇人が全力で作り上げる「桃太郎」をお届けする企画。
昔話の「桃太郎」をゴツプロ!座付き作家の竹田新が書き下ろし。
音楽はこれまたゴツプロ!音楽部の津軽三味線小山流三代目・小山豊が担当。
これまでに見たことのない「桃太郎」を作りあげる。
という、企画です。

本来は3月29日に公演予定でした。
そこに向け、クラウドファンティングも行い、たくさんの皆様に応援して頂きました。
しかしながら、4月からの自粛要請を受け、泣く泣く延期したこの企画が、明後日さんのお力をお借りして、遂に実現します。

ゴツプロ!制作にて、ゴツプロ!佐藤正和、主宰の塚原大助がプロデュース。
ゴツプロ!から渡邊聡とワタクシ泉知束が出演。
演出は山野海が務めます。

また演劇界で大活躍する方々にご賛同頂き、劇団の垣根を超えて、一同に集結。
ナレーションは小泉今日子さん。
津軽三味線の生演奏に乗せてお送りする、大人が見ても子供が見ても楽しめる【桃太郎】。
なんとも贅沢な布陣になりました。

舞台道具だってみんなで手作り。
ダンボールでのセット作りを得意とするブラボーカンパニーさんご指導の元、セットも衣装も素敵です。

みんなでモノを作るって本当に楽しい。
稽古場はいつも笑い声。
笑うって素晴らしい!
そして、僕たちの心の中には常に子供達の笑い声が聞こえている。

ありがたいことに、本多劇場でも稽古させてもらいました。

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個人的には二週間続けての本多劇場。これまたなんと贅沢なことだろうか。
感謝です。

我々ゴツプロ!が掲げる指針の一つ。
次に繋げる橋になる。
この企画はまさにそれです。
それができていることがなんとも嬉しくて、とてもとても有意義な時間。

子供達が見てくれて、笑ってくれて、お芝居を、劇場を好きになって欲しい。
子供達の心に「好き」が残ってくれたら、それは一つの橋だ。
コロナ禍でいろいろと変化し、もちろん大変だし、ネガティブになりがちだけど、少しでも明るい話題を提供したい!そして、僕たちはボジディブに生きたい!

この目標を掲げてなかったら…
賛同してくれる方々がいなかったら…
子供達の笑顔を必死に追い求めてなかったら…
ボジディブに立ち上がっていなかったら…

この素晴らしい【桃太郎】企画は成り立ってなかったかも知れない?!

10月3日、楽しみで仕方ない。
子供達…笑ってくれるかな?楽しんでくれるかな?

でもその前に、僕ら大人が楽しんでいるんだよ。

きっとこの日の劇場は幸せに溢れていると思う!
まだお席あります。
もちろん大人だけでの観劇も大歓迎です。
この空間を一緒に満たしませんか?

つづく…

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、
マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。