【はじまりと終わり。】
みなさんこんにちは。
お元気ですか?
早いもので、今月も月末(汗)
そう『月刊ゴツプロ!』の時期がやってきました。
第六回公演【向こうの果て】は4月23日(金)に無事に開幕しました。
たくさんの応援を頂き、いろいろなことを乗り越え、みなさんに自信をもってオススメできる作品に仕上げ、はじまりました。
そして、その日に緊急事態宣言発令が決まり、国の要請によって、お客様を劇場にお招きしての公演ができなくなりました。
みなさんご存知のことだと思います。
初日にわかったこの事実。
各所で話し合い、どうにか公演を続けていけないか模索しましたが、この状況下では選択の余地もありませんでした。
我々ゴツプロ!【向こうの果て】は有観客公演3ステージで終了となってしまいました。
楽しみに待ってくださっていた皆様、スケジュールを調整して頂きご観劇を予定されていた皆様、また遠方より舞台観劇のため上京を企画してくださっていた方、そしてこの公演に関わって頂いた全ての皆様…本当にすいません。
この状況、仕方ない!
そう言ってしまえば終わりですが、それだけでは済ませられない深い想いはあります。
素直に悔しいです。
やり切れなくて言葉になりません。
それでも有観客公演中止の情報を聞いた多くの方々が土曜日の公演に足を運んでくださいました。
この日の2ステージは僕らも特別な想いでした。
カーテンコールでの皆様からのあたたかい拍手は絶対忘れません。
主宰 塚原大助が流した涙、声にならなかった想い。
もちろん僕らゴツプロ!全員でここまでやってきましたが、大助はプロデューサーとしても立っているので、これまでの努力、大変さ、そして責任と重圧は並並ならぬものがあったと思います。
1つずつ1つずつをクリアしていき、やっと辿り着いた初日。
なのに…
演劇を作るのは本当に大変です。
規模が大きくなればなるほど、大変です。
だからこそ、お届けする本番が尊いのです。
これまで奇跡的にいろいろな困難を回避してきた僕らでしたが、今回ばかりは。
春になったら大丈夫だろう?!
そんな甘いものじゃなかった。
僕らと同じ想いをしている方々も大勢いらっしゃると思います。
そして、コロナ最前線で戦っておられる医療従事者の皆様。
やり場のない怒りがこみ上げます。
でも、ゴツプロ!は負けません。
絶対この悔しさをバネに、さらに挑戦を続けます。
そして、転んでもタダでは起きません。
『auスマートパスプレミアム』での生配信を4月30日までやります。
KDDIさんからのご提案とご好意でやらせてもらいます。
こちらの生配信は舞台では初となるマルチアングル!
自分で見たい画面を選べる画期的なシステムです。
さらに配信監督には映画監督としても活躍中の片山享氏に依頼。
繊細なカットとアングルを駆使してこれまでにない舞台配信を行っています。
このマルチアングルはまさに舞台に向いている技術だなと改めて感じています。
これもこれからの演劇の可能性だと思います。
有観客公演が終わった翌日25日(日)初めて無観客生配信を行いました。
ご視聴頂いた皆様ありがとうございました。
とても不思議な感覚でした。
反応のない客席。笑いも涙も、熱も感じない中での公演。拍手のないカーテンコール。
それでもカメラの奥ではたくさんの方が見てくれている。
ドラマや映画ともまた全く違う感覚。
初めての体験でした。
コロナに振り回され、コロナに一喜一憂の日々。
いつまで続くのか。
先月号では稽古1週間の模様をお伝えしましたね。
今月に入って、さらに稽古は熱を帯び…
ゲストの若手二人、関口アナンと皆川暢二は三味線も頑張ってくれました。
毎日毎日稽古場で我武者羅に三味線を弾く姿が頼もしかった。
二人には劇場入りした後、本田劇場にてインタビューしました。
(このインタビューは初日前、リハーサルの合間に行いました。)
【関口アナン】
○ゴツプロ!2回目の出演ですがどうですか?
「雰囲気は去年と変わらず、楽しくここまでやってきましたが、題材が去年と打って変わって違うので、早く幕が開いてお客さんがどんな反応をするのか楽しみですね。」
○今回は三味線もありましたが、すごいですね!すごいセンスじゃないですか?結構やったんですか?
「(笑)いや、やりましたよ。めちゃくちゃやりましたよ。」
○でも三味線好きでしょ?
「好きですね。楽器は弾けるようになると楽しいから。」
○今年は小泉さんも出演頂き、初の女性キャストが加わり去年とは変わった?色々…
「去年はゴリゴリだったからな(笑)そういう意味では稽古場が、なんていうのか?あんまり男臭くないですよね。」
○そうね、やっぱりちょっと意識しているよね(笑)
「そうそう、浜谷さんとかも急にファブリーズしてたり(笑)去年は漁師だったから逆に匂い立つ方が良かったし。なんか役としてもみんな内に秘めい、てる感じがして、いつもやってた通し前のエンジン組んでやるぞー!みたいなのもないし。」
○そうだね。今回はそれぞれの対決みたいなところがあるよね。
「そうですね。各々が準備していってそこでかます。みたいな…明らかに芝居の作りが去年とは違う気がしますね。」
○本多劇場は2回目ですか?どう?
「またここに帰ってこられて嬉しいです。やっぱり本多はいいですね。小屋入りして、セットが立って、明かりが入ると、なんとも言えないですね。いやー早くやりたい!」
○では最後に一言お願いします。
「舞台も抽象だし、時空も飛ぶし、場所も変わるので、お客さんを夢心地というか不思議な世界に連れていければいいなと思います。」
【皆川暢二】
○舞台は7年ぶり?どうですか?
「約7年ぶりですね。新鮮ですし、その舞台が本多劇場ですからね。贅沢ことをさせてもらっています。」
○初めての本多劇場はどうですか?
「まだしっかり立ててないのでなんともですが、やはり劇場の雰囲気が神聖な感じがします。」
○オファーきてびっくりした?悩んだ?
「そうですね。やはり舞台が久しぶりだったのもあって、もちろんすごく嬉しかったのですが、団員も先輩たちばっかりなので、自分が中に入ってどういう役回りができるのか?という不安もありましたね。」
○稽古終えてどうでした?
「色々と新しい感覚が生まれ、自分でもチャレンジしたことが多いので、良い状態に仕上がったと思っています。」
○今回三味線も大変だったでしょ?
「大変ですね。三味線とかって付け焼き刃でやりました!なんて絶対無理じゃないですか。
三味線の他に民謡もあって、そちらも勉強しました。だから軽い気持ちでひょいとできるものじゃないなとすごく思いました。」
○最近は【メランコリック】はじめ映画を主戦場でやっているけど、舞台との違いを感じる部分は?
「舞台は約1ヶ月かけて、同じ時間を共有して、稽古して、それがすごく強みですよね。映像ではなかなかそうはいかないので、やはり空気感だったり、それぞれの現場で形を毎回変えてゆく映像の現場とは違いますね。」
○この舞台経験がまた映画に還元できたらいいね。
「そうですね。きっと必ずこの経験がものすごく良かった!と終わった時に思えるんじゃないかと。」
○まだ始まってもないけどね(笑)どう?ドキドキしない?
「いやドキドキしますよ。めちゃくちゃしてますよ。」
○最後に一言!
「照明や音が入ってこれから最終で作り込んで、やっと板の上に立てるので、見にきて頂いたお客さんにベストのパフォーマンスをおみせできるように頑張りたいと思います。」
○また終わったら感想聞かせてね!!
※スワイプでアルバム内を移動できます。
ずっとマスクをつけて行った稽古。
目の芝居だけを頼りに全力を尽くした。
こんなことももちろん初めてだった。
そして、僕らが大事にしている吞みュニケーション(笑)も我慢して、一度も行わず(泣)
最大限の防疫対策もとってきました。
稽古場から寄り添ってくれたスタッフの皆さん。
僕らのヘア監修をして頂いた西村さん。稽古場でカットしてもらいました。
※スワイプでアルバム内を移動できます。
稽古場から本番入っても一度として同じ音はなく、常に『生』にこだわり、その場の息に合わせて繊細な音を奏でる音楽部!
会場入りして、最後の最後まで妥協なく作り上げてくれた照明さん、音響さん、美術さん。
配信の撮影チーム。
そして全部をまとめてくれる舞台監督。
そして、チケットからロビーから裏の裏まで全部を一手に担ってくれる制作チーム。
お手伝いの皆さん。
本番前にみんなが客席の一席一席を丁寧に消毒していた姿を思い出すと涙が溢れます。
舞台はみんなの力で、そして最後にお客様の熱で完成するのです。
たくさんの方の力で、応援でここまで歩んできました。
みんな悔しさは同じです。
でも、みんなで【向こうの果て】を追いかけたこの時間は僕らの宝です。
きっと今回のことも意味がある。
必ずまた立ち上がる。
リベンジする。
ここからまた新しい挑戦の始まりです。
本気の稽古期間がなかったら…
本気のスタッフさんたちがいなかったら…
本気で見たいと思ってくれるお客様がいなかったら…
本気で向き合っていなかったら…
このまま倒れていたかも知れない?!
でも俺たちは倒れたりしない。
そしてまだまだ【向こうの果て】は終わらない。
※スワイプでアルバム内を移動できます。
小説版【向こうの果て】も絶賛発売中。
WOWOWドラマ版は5月14日(金)23時よりスタート。
一人でも多くの方に届けたい。
僕らの【向こうの果て】…
どうか皆さん応援してください。
いつもありがとう。
つづく…
泉 知束Tomochica Izumi
1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、
マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。
泉 知束Tomochica Izumi
1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。