8月号 『52PROJECT本格始動!』

【9月2日追記】
下記の内容を書き上げたのが8月26日。
この時点までなんとしてもやり遂げるつもりでした。
ですので、この8月号も一度アップしたのですが、内容が誤解を招く恐れがあったので、一旦取り下げました。
そして8月29日、稽古開始前日の午後、我々は話し合い、悩んだ末に「中止」の判断を致しました。
進むも勇気。止めるも勇気。我々は勇気を持って止める決断をしました。
楽しみに待ってくださっていたお客様、集まって頂いたキャスト、スタッフの皆様、そして劇場さん、応援頂いた全ての皆様、本当に申し訳ありません。
新宿シアタートップスのオープニングシリーズで光栄にも上演させて頂く誉。
素敵なキャストさんたちと新たなゴツプロ!の一歩を踏み出す高揚感にワクワクしていました。
しかしながら、日々変わってゆく状況。
コロナの感染拡大、病院の逼迫、新たな変異株…周りから聞こえてくる陽性者のリアルな声。
少し前の状況とはまるで変わってしまいました。
僕らは第一にお客様の、そしてキャスト、スタッフの安心、安全を最優先に考え、中止という苦渋の決断を致しました。

もちろん悔しいです。
台本もあと少しで脱稿でした。新たな物語が生まれようとしていました。
そこに色がつき、音がつき、素敵なパフォーマンスになるはずでした。
悔しいです。

しかしながら、僕らが悩み抜いて出した答えをご理解頂けましたら幸いです。
この「中止」も必ず糧にし、パワーアップしてリベンジしてやります。
みなさん、待っていてください。

下記文章は、僕の8月26日の嘘偽りのない想いです。
ですから8月号として改めて公開させてもらいます。

引き続きゴツプロ!の応援をよろしくお願いいたします。

2021年9月2日  泉知束

【52PROJECT本格始動!】

みなさんこんにちは。
一ヶ月はあっという間。今月も月末、そして「月刊ゴツプロ!」でございます。
このまま秋に突入かと思った矢先、真夏が帰ってきた。
体が悲鳴をあげております(汗)
オリンピックも終わり、甲子園も後半戦、そしてパラリンピックのスタート。
そんな中、緊急事態宣言とまん防の地域拡大と延長。なんとも相反することが起こっておる昨今。
皆さまお元気にお過ごしですか?
コロナ感染者が増え続け、明らかにまわりでも感染したという声を多く聞くようになってきました。
危機感が日々強くなっていますね。
演劇界でも、中止や延期などが相次ぎ、無事に稽古を終えて、幕が上がり、終演まで行えることが奇跡のようになっています。
国の方針や宣言にも一喜一憂。
できるのか?
どれくらいお客様を動員できるのか?
などなど、毎日の発表にドキドキの毎日です。

ただ、僕らにはこれしかなく、この場所を作り、信じ、大事に丁寧に今できることをやるしかないのです。

ゴツプロ!の新しい挑戦。
52PROJECTがいよいよ本格始動です。

ついにお披露目されましたビジュアル!
いかがですか?

今回も拘り抜いたチラシの完成です。
ワタクシ泉知束が脚本、演出を担当させてもらいますので、こちらのビジュアルも作風をイメージしてデザイン案を出して、カメラマン、デザイナー、プロデューサー、広報、メンバーと意見を重ね、何度も修正が入り、ようやく辿り着いたこちらのビジュアル。
めっちゃ気に入ってます(笑)
今回、自分としてはこれまでのゴツプロ!のイメージになかったもの。
そして、ポップさを最大限に表現しました。
いやー、いいですね。
主宰 塚原大助がメガネを…しかもビジネススーツに髪の毛おろしてる(笑)
かっこいい浜谷さんが、この笑顔にこのエプロン。
そして、佐藤正和さんがアロハシャツ。(あ、これはまあ普通か(笑))
でも、これまでにないこのアットホーム感。
これぞまさに狙い通り。
脇に立つ、客演の岩田さんと里内伽奈ちゃんも意味深ですね。
いやー面白そうだ!!!

はい。
その作品は絶賛執筆中。
あわわわ…
8月30日から稽古開始。あわわわ…
間に合うのか?!
俺、できるのか?!
頑張る。頑張れ!俺。

毎度毎度ね、執筆すると忘れていた感覚が蘇る。
本を書くってこんなに大変だったっけ?
毎回思うけど、毎回答えは一緒。大変なの(汗)
まさに生みの苦しみ。
ゼロからイチの作業。
いろんな作家さんに聞きたい!!!
どうやって書いてます?(笑)
あー、文才が欲しい。飛び抜けた発想力が欲しい。
ドラえもんいたら、なんか道具貸して欲しい。
寝て起きたら脱稿してないかな?!
こんなことばかり考え、妄想して、ネットサーフィンをする毎日(汗)
それでも、そんな奇跡は訪れず、時間だけが過ぎてゆく。
先月今頃の自分計画ではすでに脱稿して、そこからブラッシュアップ作業に入り、なんなら夏休みも返上で頑張ったご褒美にどこかにリフレッシュでも行こうかな?
なんて思っておりましたが…そんなうまくいくわけありません。
机に10時間座っていても一行も書けない日を繰り返し、それでも座り続け、少し閃いたと数行書いてはまた筆が止まり(泣)
起きて、読み返しては「これ本当に面白いのか?リアリティある?」なんて気になり始めたら、また書けなくなり。
夜中に目が覚めると、急に不安になり筋書きを考え眠れなくなる。

でもね、この【生みの苦しみ】があるから、生まれた作品はとっても可愛く、大事で、尊いものになるのだ。
簡単に書いたら(書けないけど)葛藤せず書いたら、それなりに書いたら、そこまでの愛着は持てないはず。

だから考える。想像を膨らます。
自分の生い立ちを振り返る。自分にしか書けないモノ、自分にしか描けないモノ。を見つける。
うーん。
時間が追いかけてくる。

いよいよ稽古開始が迫っている。
不安とプレッシャーも当然ある。
新宿シアタートップスという大看板が聳え立つ。
くそー、いろいろ痺れるぜ。
なんだか今日はめっちゃスムーズに【月刊ゴツプロ!】書けている(笑)
これくらい脚本も書ければいいのに(汗)

ビジュアル撮影楽しかったな。
元来自分は創作することが好きなはず。

※スワイプでアルバム内を移動できます。

ゴツメンバーの新しい顔が見えたり…

メンバーはじめ客演さんが楽しそうにしてたり。

プロが集結して、しのぎを削り。

何パターンも何パターンも作り込んでいく。

そして、それを…

いろんな想いを胸に見守りました!!

とっても素敵で貴重な時間。
このビジュアル撮影が初めましての方もいらしたので、ひととなりを知れて良かった。
客演の皆さんをそんなに深く知らない自分は今回当て書き(役を決めて、その役者さんをイメージして書いていく方法)をしていません。
とはいえ、なんとなくの自分的イメージでプロットを立てていたのですが、ビジュアル撮影でお会いしてイメージがガラリと変わり、役もガラリと変わった人もいます。
こんなこともあるんだな。

それにしても、役者さんをあまり知らないっていうのは、稽古がほんと楽しみ。
自分的イメージ通りなのか?イメージを覆されるのか?
自分の台本がどうなっていくのか?
まずは役者さんを本気にさせる脚本を書きたい。
そのために今は、夢中になります。
こんな時代だからこそ、ちょっと前向きに明るく、そしてほっこりできるような作品を。
最大限の愛を持って。

まずは稽古が無事に始まり、何事もなく無事に進むよう、これでもかっていうほどの対策をとり、楽しみにしている皆様に作品をお届けできるように精進したいと思います。

ビジュアル撮影で皆さんに会ってなかったら…
コロナ含め今この時じゃなかったら…
新宿シアタートップスが復活してなかったら…
ゴツプロ!としてじゃなかったら…

【あっちにいく前に。】は生まれてなかったかも知れない?!

あ、まだ完全には生まれてないけど(汗)
ここからが最後の勝負。
妥協せずに、自分を信じて、書き上げる。

その先にはきっと素敵な稽古が待っている。
今月はちょっと短め(汗)ごめんなさい。
執筆に戻ります(笑)

あ、片手間で書いたわけじゃないですよ!!
とにかく皆さん、楽しみに待っていてください。
このご時世、「絶対来てください!」とは大々的に言いずらいのですが、僕らも必死になってこの公演を実現、成功できるように踏ん張ります。
そして、劇場でも最大限の感染防止に努めます。
前にも書きましたが、演劇はお客様が最後のピースをはめて完成するものだと思っています。
【向こうの果て】で味わった無観客公演の虚しさ、寂しさ、切なさはもう二度と味わいたくありません。

この公演がどうかどうか、皆様に届きますように…
劇場でお会いできますように。

切に願って、信じて…

 

つづく…

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、
マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。