【チクリ…胸がキュンとする劇体験!】
皆様こんにちは。
お元気にお過ごしでしょうか?
ゴツプロ!メンバーは元気に過ごしております。
今月はまず、佐藤正和出演舞台【政見放送】ご来場頂きましたお客様、本当にありがとうございました。
なんとも豪華キャストな舞台でしたね。
自分は演劇部の稽古中だったのもので見に行けなかったのがとても残念でした。
そして来月はいよいよ、主宰 塚原大助出演のKURAGE PROJECTvol.1「売春捜査官」が、
3月16日(水)〜21日(月・祝)高田馬場ラビネストにて上演されます。
ぜひ、皆様劇場にお越しくださいませ。
世の中はコロナ、そして戦争など、息苦しく、辛いニュースばかりが流れておりますが、どうか劇場でのわずかな時間、いろいろなしがらみを忘れて、目の前の役者のエネルギーに没頭してみませんか?
舞台の持つパワーは無限大と信じています。
如何せん、舞台公演を行うリスクの高い今、果敢に挑んでいる団体、人がいます。
最大限の防疫対策を行い、これでもかってほど気をつけて稽古して、念じて、信じて、頑張っている演劇界があります。
もちろん演劇界だけはなく、たくさんのリスクがある中で、希望を見出すべく、一生懸命に前を向いているたくさんの人たちと共に、僕らもできることを邁進したいと思います。
4月からはゴツプロ!本公演の稽古も始まります。
どうか時代が緩やかになっていますように、願うばかりです。
さて、前置きも長くなってしまいましたが、今月はなんといっても「ゴツプロ!演劇部 第一回公演」の話をば。
いやー、まずは一人もコロナ陽性者を出すことなく無事に本番を迎え、無事に閉幕できたことが奇跡でした。
周りで聞こえる相次ぐ公演中止の声。
やるか?!とどまるか?!
色々と考え、話し合いを重ね、進む決断をした「ゴツプロ!演劇部」。
毎度のことですが、今回も生みの苦しみ。
いやー執筆が辛かった。
今回はそれぞれに当て書きをしました。
それぞれの今の壁でだったり、良いとこ、悪いとこ踏まえ、この公演を通して何か抜けてくれれば良いなと想い、書きました。
申し訳ないことに集中稽古の初日には間に合わなかった台本。
「みんなごめん。」
演劇部部長の浜谷さんは、彼ら彼女らに役を勝ち取る喜びを味わって欲しいという想い+色々な役をやることで見えてくるキャラクターもあるからオーディションをやりたいという提案があり、急遽配役オーディションからのスタートとなりました。
やりたい役の希望を第一、第二と聞いて、シーンをいくつか用意して行ったんですが、みんな一晩でセリフを入れてきて、衣装だったり小道具だったりを用意してきて、本当に嬉しかった。
あ、このメンバーでやる公演は絶対成功するなと確信しました。
元々浜谷部長のもと半年近く一丸となってやってきた演劇部ですから、チームワークは抜群。
さらにそれぞれが足りないものを埋めあって、それはそれはいい座組みになっていました。
で、結局は僕の当て書き通りの配役に落ち着きました。
それは最終的には作、演出の自分の判断。
そのほうがそれぞれが生きてくるという自信があったからです。
そうしてはじまった集中稽古。
今回の稽古場、なんと24時間使えるのです(汗)
いつまでも稽古できるのです。
恐ろしい稽古場です(笑)
そんな稽古場で毎日、毎日稽古しました。
何より贅沢なことは、浜谷部長は稽古場に明かりを作るのです。
だから暗転も効くし、何より蛍光灯より集中できる。
セットも稽古場から入りそれはそれは素敵な環境にて稽古させてもらいました。
スタッフさんも何度も稽古場に通ってくれ、音を入れてくれ、照明のプランを立ててくれました。
【芝居は一人では作れない。】
たくさんの方々の力をお借りして、僕らは板の上に立っているのです。
そこをまずは若いメンバーに感じて欲しかった。
そして、芝居は絶対に稽古をすればするほど厚く、固くなる。
いやー稽古したわ(笑)
最近では一番やった(汗)
見て頂いた方はわかると思うのですが、今回の作品は二つの時代が交互に描かれています。
密を避けるため、パート毎に稽古をしていたのです。
一日5時間ずつ。
でも演出の自分と部長の浜谷さんはずっとなわけですから(汗)毎日家に帰ったらぐったりでした。
でも、芝居だけに集中してる時ってやっぱりいいんです。
幸せなんです。
そこを彼らがどれだけ感じてくれていたか?!
この公演が終わればまたいつもの生活に戻る。だからこそ、今を!この瞬間を一生懸命に追いかけて欲しかった。
そして、お客様からお金を頂いてお見せするものは、絶対に苦労して、努力して、悩み苦しんで、伝えるべきだと思う。
特に技術もキャリアもない若いうちは。
技術に負けない武器を持っているのだから。
それを引き出すのに四苦八苦(笑)
3歩進んでは2.8歩下がる。時には3.5歩下がる。みたいな…
かなり厳しいことを言ったし、かなり怒ったし(汗)、妥協しなかったし、細かいとこまで突いたし、途中萎縮してるのもわかっていたし。
時代にあってないのかも知れないけど、僕なりのこれまでやってきた芝居のあれこれを全て伝えたつもりです。
そして、彼ら彼女らからそれ以上のたくさんのものを頂きました。
忘れかけていた気持ちや想い。芝居したくてもできなかった時期。目指している表現が全然できなかった。普通に板の上に立つことすらできなかった若かりし頃。
自分が通ってきた道を思い出しました。
これ、全ての稽古が終わった後の写真です。
稽古開始の時と比べたら見違えるほどいい顔になりました。
飲み会もできないこの時代。
飲めば一発で距離が縮まることもあるのに!なんて思いながらも…そこを埋めるべく、稽古とディスカッション。これでもかってほどやったもん(笑)
やったから自信がつき、役者としての矜持が見えてきた。
いやー、いい稽古だった。
ゴツプロ!メンバーも全員来てくれて、それぞれに愛情とパワーを注入してくれました。
主宰の塚原大助なんて、終電まで稽古に付き合ってくれました。
みんながみんな彼らを応援して、この公演をなんとか成功させたいと願いました。
ラストのPCR検査の結果を待つ時のあの緊張感といったら(汗)
そして結果!全員陰性にて上演決定!!
そして小屋入り。
初舞台3人。舞台経験も少ない過半数のメンバー。
浜谷部長の懇切丁寧な指導と打ち合わせによって、セットが立ち、照明が吊られていく。
小屋入りのなんとも言えない高揚感とドキドキ感。
これは何回やっても堪らない!
遂に開幕!
いやー緊張した。出るより緊張するわ(汗)マジで(笑)
自分が思っていた以上にみんなが堂々と舞台に立っていてびっくり。
おいおい、成長したじゃないか。
それだけで泣けてくるよ。
そして、カーテンコールでのあの拍手。そしてみんなのやり切ったあの顔。
おじさんを泣かすんじゃないよ。
ゴツプロ!メンバーもほとんど見ていたけど、多分、みんな泣いていたと思う。
半年前オーディションから始まった【ゴツプロ!演劇部】一歩一歩、このコロナ禍において、制限ばかりの中みんなで悩み、考えてやってきた集大成がここにある!
舞台ってやっぱりいい!
舞台でしかできなことがたくさんあります。
舞台でしか味わえない感覚もたくさんあります。
ここで生まれる一瞬一瞬が尊いものです。
お客様とエネルギーを交換しながら、想いを共有する。こんな素敵で有難い時間はない。
だからこそ、僕らはそこに一生懸命に向き合い、真摯にやらないとダメだと思うんです。
しかし、贅沢な旗揚げ公演ですよ。
弁当だって、毎日メンバーだったりお世話になってる方々から差し入れを頂きまして…
こんな豪華弁当!
小劇場ではほぼないから(笑)
初舞台の3人、これが当たり前だと思ってしまったらどうしよ?(笑)
皆さんの愛をたくさん感じ、受け取り、とてもとても素敵な毎日でした。
そして、誰一人欠けることなく、千穐楽を迎えることができました。
初日あけたらいいね。そんな声ばかり聞く日々。
初日に「初日おめでとうございます!」って言われることが芯から沁みました。
本当に初日明けるっておめでたいことなんだよね。
こういう感覚もどっかで忘れていたんでしょうね。
コロナ前はよっぽどのことが起こらない限り、中止になることなんてなかったですもん。
無事完走!
見ていない方のために少し写真を掲載しておきます!
キラキラしとったわ!
いやー手前味噌ですいません。いい舞台になったと自負しております。
芝居は魂だし、エネルギーだし、座組みの空気感だし、どれだけ一生懸命追いかけただし、お役さまに愛されるかだし。
少なくても本当にいい座組みに仕上がったと思います。
一生忘れられない公演になりました!
(劇場写真 MASA HAMANOI)
この写真がそれを証明している!!
浜谷さんが立ち上がってなかったら…
メンバー全員の想いが一致してなかったら…
応募者がいなかったら…
こんな素直で愚直なメンバーでなかったら…
こんなキュンキュンくる毎日を送れてなかったかも知れない?!
みんなほんとよーやった。みんなを誇りに思います。
そして浜谷部長、本当にお疲れ様でした。
いい時間でしたね!
最後にご来場いただきましたお客様、この公演にご尽力頂きました全ての皆さまに心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!
つづく…
泉 知束Tomochica Izumi
1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、
マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。
泉 知束Tomochica Izumi
1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。