4月号 『十二人の怒れる男 絶賛稽古中』

【十二人の怒れる男 絶賛稽古中】

皆様こんにちは。
春爛漫。とはいえ、気温差も激しい毎日ですが、お元気にお過ごしでしょうか?
毎月言っておりますが…一ヶ月の早いこと早いこと。
もう月末ですよ。これで今年も三分の一が終わりですよ。
いやはやですね。
まずは今月はじめ、メンバーの44北川出演作品。
プリエールプロデュース【あぶくの流儀】

ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。
なんだか懐かしい44さんのあの役。
そして、まさに【本物】の大衆演劇のニオイ。
ラストのショータイムはまさに圧巻でした。
エンタメが詰まった作品でしたね。
44さんお疲れ様でした。

こちらの作品の楽日が4月10日。
そしてその二日後の4月12日…ついに我々ゴツプロ!第7回公演【十二人の怒れる男】が稽古スタートとなりました。
44さん、頭を切り替えるの大変(汗)

※スワイプでアルバム内を移動できます。

今年もメンバーは居ても立っても居られない。
早くから稽古場に集まり、顔合わせの準備です。
なんともいえない緊張感が漂います。

そして、続々と集まってくる役者陣とスタッフ陣。
緊張と高揚感はマックスに!

例年と変わらず主宰の塚原大助の挨拶からスタート。
ただ例年と違うのは、大助が雄叫びをあげなかったこと(笑)
てか、今年はマジでそんな雰囲気ではなかったね(汗)
いや、いい意味で。
ピリッと張り詰めた空気感の中、それぞれ大人たちが集い、紳士的に向き合う稽古場の雰囲気。
これまでのゴツプロ!の様子とはちと変わっております。

そして、初めての本読み。
いやーこれまた痺れるね。
台本を活字で読んでいる時とはまるっきり違う作品に感じた。
まさに二次元が三次元に生まれ変わる瞬間。
楽しかった。ヒリヒリした。刺激をもらった。
そこからスタートした【十二人の怒れる男】

一週間みっちり本読みしました。
これも今までのゴツプロ!ではなかったこと。
今回は特に翻訳物ということもあり、台本の検証をしっかりやりました。
こちらの脚本ですが、映画脚本、舞台台本、翻訳(いくつかあります)、もうそれはそれはそれぞれの解釈も相まってえらい数のものがあるのです。
もちろんそれぞれの良さ悪さがあり…
幸いにもゴツプロ!メンバー、英語ができる人間も数人いますから、いろんなディスカッションを重ねました。
これが本当に面白かった。
こっちの本ではこう書かれているものが、こっちではこう解釈されている!みたいなことに右往左往。
できるだけリアリティが出るよう、そしてオリジナルの良さがでるよう、みんなで試行錯誤しながら一週間を過ごしました。
この時間は本当に尊いものになりました。
まさにこの作品の核となるべきものです。

本読みの一週間を経て、稽古場を移動。
今回初めてお借りする稽古場です。
こちら、まあ広くてですね。本多劇場の実寸が取れてなお余裕があるのです。
タッパもあるから、それはそれは気持ちいい開放感。
そこに仮のセットを組みました。

見てください!この広さと余裕。

主宰自らバミリ中(笑)
この稽古場にて、いよいよ始まった立ち稽古。
いやー、これがさ、ほんとね…
なんていうんだろ!
気持ちいいんです。
建設的な稽古なんだけど、熱が半端なくて、一瞬一瞬がせめぎ合い。
戦い、受け入れ、リスペクトして、それぞれが【個】を発揮していく様。
なんとも清々しい時間。
少しでも疑問を持ったら、それを真っ向から向き合い解決していく。
誰しもが意見を言える場所。
受け入れてくれる仲間。
恥をかいてもいい。作品が良くなればいい!
そんな想いの人たちが集う稽古場はやっぱり気持ちいい。

そんな中でもみんなアットホームにやっていますよ。
とにかく、誰も妥協せずに、作品が面白くなることだけを想って稽古に臨んでます。
自分はずっと思っていることがあって、稽古場の雰囲気がそのままお客様に伝わると思っているんです。
だから稽古場を見たら大体本番も見えてくる。
そういう意味では今作は本番が楽しみで仕方がない座組みになってると自負してます。

いろんな意味でワクワクですよ。
だって…

こんな舞台作ってしまいますからね!
これ、長き本多劇場の歴史でも初の試みだそうです。
僕らゴツプロ!は常にエンタメに拘ってきました。
今回も演劇ど真ん中のこの作品を選びましたが、どこかで他がやってないことをやりたい気持ちはめちゃくちゃあります。
でもそれがたんに奇を衒うのではなく、真に迫った中で、それをどうエンタメとして表現していくのか?できるのか?今回はそんなところにも注目してもらいたいと思います。

一つの疑問をほったらかしにしない。
ひとつひとつをしっかり検証していく。
そこにはこれっぽっちの嘘もない。

毎日が格闘です。
休まる瞬間がない。
だから稽古が終わるとぐったり。
この心地よさ。
劇中で議論を交わし、稽古場で議論を交わす。
人と人との魂の交流。
まさにこれこそ【芝居】。

いやはや、どえらい方々と、どえらい作品を選んだなとしみじみ。
でも、ゴツプロ!第二章のはじまりとしたら、これ以上ない作品、キャスト、スタッフ陣だと自負しております。

あとは、万全の注意を払い、本番まで駆け抜けるのみ。

この脚本を選んでなかったら…
このキャストではなかったら…
この演出とスタッフでなかったら…
いろんなことを経てなかったら…

 

これほどまでに充実した稽古なんてなかったかも知れない?!

あっという間の毎日。
あっという間の稽古。
濃密な時間。
終わるのもあっという間。
僕たちはかけがえのない時間を過ごしています。
それこそ演劇界の大先輩たちからたくさんのことを学ばせてもらい、吸収しています。
僕らがやりたかったこと。
【橋になる!】
もらい、さらに受け継いでゆく。
まさに今回はそんな作品になっていると思います。

後悔はさせません。
ぜひその目で、この瞬間を目撃してください。
【本気】と【生き様】がきっと心地よく響いてくると思います。

あー、来月これを書いている時はもう公演終わっているんですね。
この時間がずっと続かないかな。
そう思える公演になっていますよ!!

この素敵な面々でお待ちしております!

 

つづく…

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、
マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。

泉 知束Tomochica Izumi

1994年より、日活芸術学院俳優科で演技を学ぶ。
1996年、劇団「麦」公演で役者デビュー。
2000年、演劇ユニット「Team Chica」を旗揚げし、主宰・作・演出・主演を務めている。
また、2005年樽沢監督作品「月桂哀歌」で映画脚本を手掛け、俳優業だけに留まらず、マルチな才能を発揮している。
月刊ゴツプロ!の執筆を行なっている。